JA:インポート/ガイドライン
インポートガイドラインは、自動編集に関する行動規範Automated Edits code of conduct と共に、 外部ソースからOpenStreetMap データベースにデータのインポートをする際に従うべきものです。インポートは他の編集よりも慎重かつ注意深く計画し実行する必要があります。悪いインポートは既存のデータと地域のマッピングコミュニティの両方に重大な影響を与えるからです。 Data Working Group はこれらのガイドラインに準拠しないインポートを検出して停止する任務を負っています。そのため、これらのガイドラインに従わない場合は、アカウントがブロックされる可能性があります。
プロセス
もし、市/郡/県/国の行政機関、非営利団体、その他の組織、個人などが、 OpenStreetMap の品質を向上させるために使うことができる良いデータを所有していると思ったら、知っておくべきことをここに示します。正しい手続きで始めるための手順を簡単な概要で紹介します。このページの以下の節や関連ページで記述しています。
ステップ 1 - 前もって必要とされること
- 近所のものに詳細情報の追加するなどして OpenStreetMap の基礎に慣れ親しみましょう。
- インポートの失敗事例を確認してください。
- あなたがインポートしようとしているデータにはどのような種類のものがあるか、確認しましょう。例えば、建物の形状、施設名、住所などがあります。
- OpenStreetMapのライセンスについて理解しておいて下さい。
- インポートの前に、インポートのガイドライン全体を十分に読んで理解して下さい。
- データのインポートにどれほど関心があるか、地域コミュニティに確認して下さい。
ステップ 2 - ライセンスの承認
- OSMにおいてデータを利用する際には、データ所有者からの正しい許諾とライセンスを得ることが必要です。もし、データのライセンスが OpenStreetMap の Open Database License と互換性がない場合、そのデータを用いることはできません。データには、明確なライセンス、制限付きライセンス、OSMと互換性のないオープンライセンスが設定されていない場合や、免責事項のみが含まれている場合があります。このような場合、データの管理者や問い合わせ窓口に連絡して、データの説明や使用許可を求める必要があります。 場合によっては、既存のライセンスが厳しいと思える場合でも、OpenStreetMapの Open Database License の条項に従う意思があるかどうかを適切な当局に問い合わせることで、データの利用許諾を得ることが簡単に進む場合もあります。 データの許諾を得るための申請方法などについては「CC BY 4.0データの利用申請テンプレートについて」を参照してください。 インポートするデータの互換性のあるライセンスと互換性のないライセンスの概要については、Licence_Compatibilityも参照してください。
ステップ 3 - ドキュメント作成
- インポートの計画を OSM ウィキに記述することが必要です。計画にはデータを OSM XML 形式に変換する方法、作業を分割する方法、データの結合の方法、 GIS の属性を OSM のタグに割り当てる方法、データの単純化を行う方法、データに問題が発生した時の復元の計画、変更セットのデータサイズの制限、品質保証の計画などが含まれなくてはなりません。ドキュメント作成のフォーマットとして Import/Plan Outline を利用することができます。
ステップ 4 - コミュニティによる受け入れ
- あなたの計画について話し合ってください。地元のOSMコミュニティに連絡して、ウィキページへのリンクを含めて計画を通知してください。このことは、インポートを考えている外部データがすでにレビューされている可能性も含め、過去の経験を生かした助けになります。地域のユーザーグループや OSMF 支部や対象地域のメーリングリストをチェックしてください。
- コミュニティからの質問に回答できるよう準備してください。それぞれのデータがインポートに適しているかどうか、コミュニティと話し合いましょう。データ種別によっては、インポートの手間が少ないものもあれば、そうでないもの（例:道路中心線）もあります。
- 地域で受け入れられることなしにデータのインポートを絶対にしてはいけません。
ステップ 5 - インポートのレビュー
- データが完全に準備できてドキュメント作成も完了すれば、レビュー投稿を送信できます。
- 新しい投稿をコミュニティフォーラム、関連するローカルコミュニティ、またはコミュニティのカテゴリが存在しない場合は一般チャネルに送信する必要があります。
- 投稿には
importとimport-proposalのタグをつけて、このテンプレートに従う必要があります。 - レビュー投稿から14日が経過し、すべての懸念事項が解決された後、インポートの開始が可能となります。
ステップ 6 - アップロード
- "<username>_Import" というインポート専用のアカウントを使用して下さい。
- 計画通りに進めて下さい。
- 進捗状況を記録してください。
- コミュニティに対して、行った作業に関する最新情報を伝えてください。
- インポートが完了したらコミュニティに報告して下さい。
主な考慮事項
提案したインポートの議論
あなたが提案するインポートについては、適切な地域コミュニティや imports@openstreetmap.org メーリング リストで話し合ってください。SlackやMLなど適切なコミュニケーションチャネルを通じて地元のコミュニティに連絡してください。 多くの地域コミュニティには独自のWikiページがあります。
同一のもしくは類似したインポートがすでに議論されている場合にも、ローカルコミュニティとの議論を行う必要があります。これは、ローカルコミュニティのユーザがインポートの計画を認識するとともに、データへのダメージが発生する前に、彼らが問題点やコンフリクトを挙げることができるようにするためです。これは、特にインポート予定のデータがすでに長い時間入手可能な状態になっているのに一度もインポートされていない場合には必ず行うべきことで、そうした状態はローカルコミュニティとの議論を行わずにインポートしていいということにはなりません。
人道支援、災害対応、開発に関するインポートに関しては、 HOT （できれば HOT メーリングリスト）にも追加で相談してください。
インポートを文書化する
- 主な記事：Import/Plan Outline
インポートを行うことになったら、ウィキ上にそれに関するページを作成して全ての詳細を記述してください。次にあなたの地域や国に関するローカルページからあなたが作成したページへリンクしてください。 作成したページには以下の事項について詳しく記述してください。
- データソースの正確性及びライセンス
- 使用する予定のソフトウェア（JA:Import/Software）。使用しているソースコードも共有してください。
- 他のデータ形式から OSM 形式に正確に変換する方法
- 変換後のデータがどう見えるか。使用される正確なタグ。
- インポートを行うユーザー名や、変更セットのタグ付け方法の詳細
インポート進行中は次の項目も記述してください。
- 実際にインポートされた本番環境上のデータ例へのリンク
なお、相談後にインポート範囲を変更した場合は、相談が無効になります。データセット X のインポートの承認後に、 X+Y のインポートの承認を受けることはできません。
データのライセンスに問題がないか確認する
私たちは「自由（free）な」データだけに関心を持っています。 私たちのデータは OpenStreetMap License のもとで公開できなくてはなりません。利用可能なパブリックドメインのデータソースも確かに存在しますが、その量はごく僅かですし、それ以上に複雑な問題があります。
データは ODbL と互換性がある必要があります。
あなたはインポートを行う者として追加的な著作権を主張してはなりません。例えば、もしあなたがパブリックドメインのデータをインポートした場合、インポートされたデータの使用を制限する求めを行うことはできません。あなたのインポート用のアカウントは、インポートしようとしているデータの元々の作成者によって付与された許諾事項について、拒絶してはいけません。
また、帰属表示の必要について、その詳細を記述してください。私たちは帰属表示について、複数の方法を提案することができます。
- このウィキの協力者のページにソースを記載することができます。
- 大規模な貢献の場合には openstreetmap.org/copyright 上で提供者のクレジットを明示ことができます。
- ソースに関する情報はインポートアカウントと変更セットにリストされ、オブジェクト履歴で簡単に参照できます。
これらのいずれもデータソースの属性として受け入れられない場合は、インポートを続行できません。
またしばしば、互換ライセンスのもとで利用可能とされていたデータが、元をたどるとフリーではない思われるソース由来のものだったということもあります。例えば OSM では、 Wikipedia 上の幾つかの地理データが Creative Commons ライセンスで利用可能であると広く考えられていますが、そのデータの一部は単純に Google マップに由来するもので、それゆえ実際には上記のライセンスで利用することはできません。このような場合、記載されているライセンスに関係なく、出所が不確かなデータをインポートしないでください。
インポートのレビュー
このテンプレートを使用して、コミュニティフォーラムにレビューを送信します。 import および import-proposal タグを含めます。 件名はProposed import of (Database)（(データベース) のインポートの提案）とします。
電子メールで投稿を送信する場合は、件名を次のように設定します: [import import-proposal] Proposed import of (Database).
# Import Title
Hello (COMMUNITY), I am proposing to import the (DATASET) dataset, sourced from (AGENCY).
## Documentation
This is the wiki page for my import:
wiki.openstreetmap.org/wiki/
This is the source dataset's website:
http://example.org/
The data download is available here:
http://example.org/download
This is a file I have prepared which shows the data after it was translated to OSM schema:
https://drive.google.com/file/
(Replace the links with the links for your Import)
## License
I have checked that this data is compatible with the ODbL.
This data is distributed under (LICENSE).
(If you have received special permission/waiver, mention it here.)
## Abstract
(Provide a summary of your import. be sure to mention:
* Information about the dataset
* Your relationship to the dataset, if any.
* What the dataset contains.
* The size of the dataset.
* The method you are using to import into OSM.
* How you plan to translate the dataset tags to OSM schema, including the table of tags used on imported objects.
* Your approach to conflation.
* Any scripts you are using.)
インポート専用アカウントを使用する
OpenStreetMapで大規模なインポートを実行する場合は、専用のアカウントを使用することをお勧めします。 インポートアカウントを効果的に設定するには、次のガイドラインに従ってください。
1. アカウントの名称: 次のフォーマットとします: (あなたのユーザ名)_Import 例えば、"MapMaster" というユーザ名であれば "MapMaster_Import" とします。
2. メインアカウントへのリンク: インポートアカウントのプロファイルにメインの OSM アカウントへのリンクを含めて、メインアカウントとのつながりを明確にします。
3. インポートウィキページへのリンク: インポートアカウントのプロファイルにインポートの詳細を説明するウィキページへのリンクを追加します。OSM のチェンジセット履歴は永続的なものであるため、これは不可欠です。
4. インポーターの役割: OpenStreetMap には、破壊行為を防ぐためにアップロードを制限する機能が含まれています。 インポートがこの制限に達する可能性があります。 その場合は、wiki サイトなど、インポートに関する詳細をData Working Group（データワーキンググループ） (data@openstreetmap.org) に電子メールで送信してください。 DWG は、制限を回避するためにインポーターの役割を割り当てることができます。 インポートを行うためにこの割り当ては必要ありません。
5. 複数のアカウントの電子メール アドレス:インポートアカウントに、通常のアカウントと同じ電子メールアドレスを関連付けることはできません。 別の電子メールアドレスを設定して電子メールを転送するか、電子メールプロバイダーがサポートしている場合はサブアドレスを使用する必要があります。
これらのガイドラインに従うことは、インポート活動を整理し、OSM コミュニティ内での透明性を維持するのに役立ちます。
正しいタグを使用する
インポートには、新たに独自のタグセットを作るのではなく、 OSM コミュニティによく知られているタグを用いる必要があります。
インポートするデータには、独自の ID 番号のようなメタデータが付いているかもしれません。現実と何の関係もないデータベース値を文書化しないでください。 データソースには多数のフィールドが含まれる場合がありますが、実際の検証可能なメタデータのみを含むようにしてください。
データの上にデータを重ねない
従来の GIS システムとは異なり、 OpenStreetMap にはレイヤーの概念がありません。重複データが OSM に追加されないようにするには、統合が必要です。 JOSM 統合ツールや QGIS のジオメトリ ツールなどのツールを使用して、インポートから重複データを削除します。 コミュニティと話し合い、データ統合のアプローチを文書化します。
データベースにダメージを与えないよう細心の注意を払う
データベースにダメージを与えないように細心の注意を払ってください。他の人が掃除をしないといけないような乱雑なインポートをしないようにしてください。
インポートが'上手くいかない'、または途中でアップロードを中断する必要に迫られた場合は、すぐにそれをリバート（復元）してください。支援が必要なら Imports または コミュニティメンバーに連絡してください。インポートに関する他のユーザーからの懸念や苦情にはできるだけ早く対処してください。