JA:Key:surface
surface |
説明 |
---|
地物の表面を記述します。 |
グループ: プロパティ |
適用できる要素 |
よく併用されるタグ |
状態:事実上の標準 |
ツール |
surface キーは、道路や歩道などの地物に物理的な表面についての追加情報、つまり材質や構造を提供するために使います。
もともと交通やスポーツに関係した表面についてのもので、とくに線状の地物によく使われてきましたが、natural=*のエリアに使われることも多くなっています。ただし、natural=*とsurface=*の値を混同しないよう気をつけてください。たとえばnatural=grasslandとsurface=grassや、natural=glacierとsurface=iceを混同しないように。表面についてのより広範な記述については JA:土地表面 を参照してください。
値
値 | コメント | 写真 | Abundance |
---|---|---|---|
舗装 | |||
paved | 地物のほとんど全面にわたって何かで固められています。つまり、敷石、コンクリート、アスファルトなどで覆われています。この値は大まかな説明にすぎません。できれば asphalt, concrete, paving_stones など以下に示す選択肢からもっと詳細な値を使用してください。 | ||
asphalt | アスファルトというのはアスファルトコンクリートの省略形であり、骨材がアスファルトで固められたものです。 | ||
chipseal | アスファルトコンクリートの安価な代替品で、高温にした瀝青やアスファルトを薄く敷き、そこに骨材を押し込んだものです。アメリカ大陸やオセアニアの国々で一般的です。普通の人にはアスファルトコンクリートと区別が付きにくく、アスファルトの亜種とみなす人もいます。その結果、チップシール舗装された道路のほとんどはsurface=asphaltでタグ付けされています。 | ||
concrete | 広く続くポルトランドセメントコンクリートで、たいていは現場で打設され、あらかじめ継ぎ目が用意されていることもあります。工場で作られたコンクリート板の場合は、どのようにコンクリートが敷かれているかによってconcrete:platesまたはconcrete:lanesのうち合うものを使用してください。 | ||
concrete:lanes | 長く幅の狭いコンクリート板が、四輪車のタイヤ幅に合わせて敷き詰められている道路です。コンクリート板の間は、砂、土、草、砂利、アスファルトなどで覆われています。コンクリート板が1列しかない場合は、レーンに分かれていないので、concreteを使ってください。 | ||
concrete:plates | 大きなコンクリート板が隙間なく敷き詰められている道路です。コンクリート板の間をくっつけるために、間に砂やタールを入れていることがあります。 | ||
paving_stones | 人工の敷石(ブロックやレンガ)または自然の石(とりわけ板石)を上が平らになるよう敷き詰めた比較的滑らかな表面です。石が完全に規則的な形(長方形など、敷き詰められる形状)であるか、または注意深く選んで敷き詰められているため、個々の敷石同士のすき間がほとんどありません。 | ] | |
paving_stones:lanes | lanes of paving stones for two-tracked vehicles (motorcars). There might be sand, ground, grass, pavers, asphalt, etc. in between them. Note that if you tag a single-tracked way you just use paving_stones, since there are no lanes. | ||
grass_paver | permeable pavingの一種で、構造物が規則正しく並べられており、構造物の穴の部分から雨が地面に抜けるようになっており、構造物により路面の耐久度が向上しています。駐車場や、普段あまり使われない緊急車両用の道路などによく使用されています。 | ||
sett | 石畳。形は規則正しいものもそうでないものもあるが、上がだいたい平らになるよう切り出された自然の石でつくられた石畳。paving_stonesと異なり、石が表面を完全には覆っていません。完全に平らではないこともあります。 | ||
unhewn_cobblestone | 自然の、切り出されていない丸い石による舗装。pebblestoneとは違って、石が地面に固く埋め込まれています。 | ||
cobblestone | cobblestoneは不明確な値で、かつて石畳や丸石に対して使われていました。より詳細な、settまたはunhewn_cobblestoneを使うようにしてください。 | ||
これはよくある表現でも、はっきりした定義があるわけでもなく、使うべきではありません。代わりにsettやunhewn_cobblestoneを使うのがよいでしょう。 | |||
bricks | 干しレンガで舗装された表面。これに対してsurface=paving_stonesを使い、敷石の亜型だとみなす者もいることに留意してください。 |
| |
metal | 金属。金属むき出しの橋や、野原をふつうの自動車が通れるようにするための仮設道路などに使われています(なお、ごく短期間だけ存在する物をOSMでマッピングすべきではありません)。
舗装材料用に砕いた石という意味のroad metalに対しては使いません。 |
||
metal_grid | インダストリアルスタイルの橋や階段に用いられる鉄製格子。濡れていると、特に自転車にとっては非常に滑りやすい。端部が尖っており、また下が見えてしまうことから、犬の通行には不向き。グレーチングなどとも呼ばれている。 | ||
wood | 木材。橋や湿地帯の歩道に使われています。 | ||
stepping_stones | 踏み石。上を歩けるよう1列に並べられた石や板で、それぞれの周囲は草や水に囲まれています。 | ||
rubber | ゴムタイヤのリサイクルで作られた遊び場の安全表面素材。美観、子供の安全、車椅子のアクセシビリティなどのためにデザインされたゴム製の表面。 | ||
tiles | |||
user_defined | よく使われている値をtaginfoで確認できます。 | ||
未舗装 | |||
unpaved | 地物のほとんどの部分が固められていません。つまり、砂利から土まで何か緩いもので覆われています。未舗装の道路は、航空写真では、コースに沿って水が流れていたように見えることもあります。このような場合、水路のように見えてもstreamとしてタグ付けするべきではありません。この値は大まかな説明にすぎません。できればもっと詳細な値を使用してください。 | ||
compacted | 砂利と砂など、大きなものと小さなものを混ぜたものを、ローラーなどで圧縮したもので、表面がゆるい砂利よりもより安定しているものです。たとえば公園の小道、整備されたtrack、またservice wayなどにも使われています。アスファルト、コンクリート、敷石等で舗装されていない道の中では、最も走りやすい道です。water-bound macadamと呼ばれることもあります。土砂混合物を圧縮すると、グリップと安定性が向上します。 | ||
fine_gravel | このタグはあまり一貫性なく使用されています。写真にあるような細かく緩い砂利で、タイヤが太くないキックスクーターや自転車には不向きな路面にも使われますが、compactedの別名のように使用されていることもあります(ローマ帝国時代に発明された、石や砂利の基盤に細かい砂を詰めた複層構造で、自転車にも適し、車の通行により石がはじき出されることはなく、自転車が通行しても轍跡がつくことがない)。砂利がきっちり固まっている場合には、代わりに定義のしっかりしたcompactedを使用してください。 | ||
gravel | 砂利。このタグは意味の幅がとても広く、線路に敷かれたバラスト(砕石)のようなものから、compactedに用いる細かいものまで利用されています。 | ||
shells | 貝殻。地物の表面が小さな貝殻で覆われていることを示します。オランダの歩道や自転車道によくあります。 | ||
rock | 岩。山道の改善に使われる大きな岩のかけらや、natural=bare_rockを通る登山道のようなむき出しの岩。通常は山地にあります。 | ||
pebblestone | 玉石。波や川の流れにより石が丸くなったもの。2~8cmくらいの大きさ。OSMで表面を記述する場合は、きっちりと並べられていないものを指します。gravelと同様、pebblesはcompactedの基盤部分に用いられることがあります。 | ||
ground | 特別な表面ではなく、地面自体は人間か、動物の足跡があります。可能ならば grass, clay, sand, dirt, gravel, pebblestone などで、もっと詳細に路面状態を指定してください。 | ||
dirt | 土。表面がむき出しの土であり、砂、砂利、岩でない場合に用います。砂利を間違ってdirtと呼ぶことがよくあります。また、圧密された道路をdirtと呼ぶこともありますが、compactedの定義を確認して下さい。 | ||
earth | 土。dirtと同じ意味です。代わりにより一般的なdirtを使ってください。 | ||
grass | 草が生えた状態です。たいていは歩きやすいです。surface=dirtに変わったり、草が生い茂って道が消えることもあります。 | ||
mud | groundに似ていますが、ほぼ一年中湿っており路面が柔らかく、ものを運ぶのには適していません。沼地や潮汐地などの湿地帯によくあります。水が流れる傾斜部がこうなっていることもあります。 | ||
sand | 砂。だいたい砂粒が2mm以下のもの。 | ||
woodchips | たとえば児童公園や遊歩道で、木片が敷かれている表面。木材実質からなるものも、樹皮だけからなるものもあります。 | ||
snow | 雪。圧雪された雪道。 | ||
ice | 氷。冬季に作られる氷上の道路。 | ||
salt | 干上がった塩湖に通る道。 | ||
user_defined | よく使われている値をtaginfoで確認できます。 | ||
特殊(スポーツなど) | |||
clay | テニスコートでよく用いられる。サッカー、陸上競技、ペタンクなど他のスポーツのコートでも使われることがある。 | ||
tartan | ポリウレタン製の全天候型路面で、スポーツのトラックなどに用いられる。Tartanは商標であるが、一般的な名詞として使用されている。 | ||
artificial_turf | あたかも天然芝のように作られた人工芝。野球やサッカーなどのスポーツのフィールドに使われる。 | ||
acrylic | アクリル樹脂でコートされた人工的な表面。テニスやバスケットボールなどのコートによく使われています。有名なブランド名にDecoTurfやGreenSetなどがあります。 | ||
carpet | 絨毯。屋内のテニスコートなどスポーツのコートや、highway=corridorで用いられている。 | ||
plastic | プラスチック。プラスチックで作られた人工的な表面で、スポーツコートや遊び場に使われている。 | ||
user_defined | よく使われている値をtaginfoで確認できます。 |
This table is a wiki template with a default description in English. Editable here. 日本語訳の編集はこちら。
自動車用の道路の路面
自動車用道路については、他のタグ指定がない場合は、通常、路面が surface=paved (舗装されている)と仮定されます。 OpenStreetMap において、「paved」は広義の舗装状態を表し、シール、タールマック、アスファルト、瀝青、さらには石畳や丸石敷きなどを含みます。 surface=unpaved はその逆です。路面状態の詳細なタグ指定は、大きく分けると舗装道、未舗装道に分けられ、経路検索で考慮されます。経路検索ソフトは、未舗装道路は通行速度が遅く(走行時間が長くなる)、悪天候時には通行不能になる可能性を考慮した計算をすべきです。
舗装された道路については、surface=pavedよりも詳しいタグ、たとえば surface=asphaltが歓迎されます。
smoothness=* もまた路面状態を記述するのに重要な要素で、路面の均等性・平面度を記述します。路面の材質は関係ありません。インラインスケートなどの用途には重要なタグかもしれません。
tracktype=* もまた路面状態を記述するのに重要な要素で、路面の固さを記述します。形状は関係ありません。
理想的には、 highway=* タグには必ず surface=* タグ(および tracktype=* タグ)を付けるのが望ましいです。小路等にはデフォルト値はありません。
路面状態が異なる道路のレンダリング方法は多岐にわたっていますが、一般的には未舗装道路は、舗装道路と違う色で同じ幅、または同じ色で破線でレンダリングされることが多いです。
路面状態の記述が他のタグでは不十分な場合、 smoothness=* や maxspeed:practical=* の使用を検討してみてください。 maxspeed:practical=* は、通行速度が合理的方法で推定できる場合に便利です。 surface=unpaved 道路があり、実用速度が60km/hであるとします。別の道路は、コンクリート舗装ですが実用速度は10km/hであるとします。デフォルトでは未舗装道路より舗装道路のほうが高速で通過できると判断されるので、経路検索では後者の道路が選択されてしまうので、ユーザや経路検索ソフトに誤った道をガイドすることになってしまいます。
歩道や自転車通行帯の路面
歩道や自転車道が、独立したウェイではなく、タグとして付けられた場合(例: highway=secondary + cycleway=track/lane)、その表面は次のようにして付けます。
もしくはより詳細に
- sidewalk:both:surface=*
- sidewalk:left:surface=* (ウェイの向きに対して左側)
- sidewalk:right:surface=* (ウェイの向きに対して右側)
歩道や自転車道が道の片側にある、または路面状態が両側で異なる場合、 right, left を使って指定することができます(both を使って明示することもできます)。
例については cycleway:right=* / cycleway:left=* / cycleway:both=* を参照してください。
上記の記法は、 surface タグの他にも、 smoothness=*, oneway=*, bicycle=*, foot=*, width=*, segregated=* などにも用いることができます。
歩行者道と自転車道が分離されているが1つのラインとしてタグ付けされている場合には、footway:surface=* + cycleway:surface=* を使うことができます。
デフォルト値
表面のデフォルト値はありませんので、全ての道路に明示的にタグ付けすることは一般に望ましいと考えられています。surface=*がない場合、データ利用者は地物のある場所やhighway=*, lit=*, tracktype=*, tiger:reviewd=no その他のタグの値からうまく値を推測できるかもしれません[1][2][3]。限定的な場合のみ、たとえばhighway=motorwayについて、全てが舗装されていると仮定することができます。
またデータ利用者はタグ付けされていない表面について特別扱いをするかもしれません(たとえば統計一覧に"no data"と表示するなど)。
地域によっては、デフォルトで舗装されていると仮定することが危険な場所もあります。
用途
主な用途はナビゲーションです。自転車用の経路検索では surface=sand とタグ付けされた道路はそれ以外が普通でも回避することができるでしょう。自動車の場合、土/マカダム/砂利/石畳のルートよりも、より長いアスファルトのルートを選ぶかもしれません。たぶん歩行者はぬかるむ歩道よりも舗装されたものを好むでしょう。またこのタグはレンダリングの際に正しい質感を選ぶ(たとえばどの道が舗装されているのかを示すため)のに用いることができます。
OsmAndは、メニューから有効化した場合(Confgure map
- Details
)にはsmoothnessとsurfaceを表示します。ここにはそれぞれの値にたいする凡例があります。
有用かもしれないツール
関連項目
- material=* - 物理的地物の主材料を記述します
- smoothness=* - 路面の規則性・平坦性という観点で車両にとっての物理的使いやすさを示します
- tracktype=* - 道路の格付けを示します
- surface:colour=* - (推定できない場合に)表面の色をcolour=*のガイドラインに則って示します
- surface:grade=* - 路面品質を数字で示す定義不足のタグ。代わりにsmoothness=*の使用を検討してください。
- JA:土地表面
- Proposed features/Surface:all weather surface 値の階層構造や all_weather の値に関する提案です。
- Seamarks/General Attributes#Nature of surface (NATSUR)
- Rendering style (very rough, incomplete) using OverpassTurbo
- Query finding surface values used in OSM not documented in this page using OverpassTurbo
表面データを表示する地図
- https://graphhopper.com/maps/ – 経路を決定したあとに、最下部のグラフ上で表面を表示させることができる
脚注
- ↑ https://lists.openstreetmap.org/pipermail/tagging/2019-September/048330.html
- ↑ https://lists.openstreetmap.org/pipermail/tagging/2019-September/048338.html
- ↑ https://lists.openstreetmap.org/pipermail/tagging/2019-September/048355.html "Ultimately, where information is missing, you as a data consumer will need to make a decision about whether or not a road is likely to be paved or not. Adding a default (even per-country) won't magically make all non-surface-tagged roads paved or unpaved"