JA:Key:lanes
lanes |
説明 |
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自動車交通のために利用できる車線数の合計。 |
グループ: 道路 |
適用できる要素 |
よく併用されるタグ |
関連項目 |
状態:事実上の標準 |
ツール |
lanes=* キーは、道路にある車線の数(このページに記載)または、圧雪路 や 競技トラックといった他の地物(各ページに記載)をタグ付けするのに使用します。道路の個別の車線をタグ付けするには、:lanes 接尾辞についての記事を参照してください。自動車を通行させない自転車通行帯やバイク専用車線を除いた数を計上してください。自転車通行帯をタグ付けするには、cycleway=* を参照してください。オートバイ専用車線のタグ付けにはmotorcycle=* や JA:車線 を参照してください。
ただし、車線が白線等で表面に描かれていない場合でも、この車線数のタグは有効です [1] 。
解説
lanes=* キーは道路の車線の総数を指定するために使用します。
以下の車線は含めるべきです。
- オートバイよりも幅の広い車両に適した一般目的の 車線。
- バスやタクシーなどの公共交通車両(PSV)のために予約された バスレーン。車線の総数に加えて、 PSV 用の車線数を lanes:psv=* で表すことも検討してください。同様に lanes:bus=* や lanes:taxi=* なども利用できます。
- High-occupancy vehicle lane (carpool lanes、commuter lanes、express lanes、transit lanesとも)。このような車線の数は lanes:hov=* を使ってタグ付けします。
- ラッシュ時間帯のような特定の時間帯に通行が制限され、可変メッセージ標識で示される車線。これらの車線は、オランダやベルギーでは spitsstroken(nl) と呼ばれたり、オーストリア、ドイツ、スイスでは temporäre Standstreifen(de)と呼ばれています。アメリカの「スマートレーン」構想も同様で、車道のshoulder=*を再利用します[1]。
- 高速道路やその他の主要道路にあるような、長い接続道路。重要ではない道路の右左折車線は含まれないこともありますが車線数に含めるのが望ましいです。右左折車線のタグ付けについての詳細はturn=* を参照してください。
そして以下の車線は除外するべきです。
- 減速/加速車線のない簡易な接続道路。つまり、道路が交差点のためだけに広くなっているようなところ。
- 路上駐車帯。street parkingについての情報を提供するには parking:left=* や parking:right=*、parking:both=* を使用してください。
- 自転車通行帯。 cycleway=lane タグを使用してください。
- 緊急 路肩。詳細は shoulder=* を参照してください。
車線の数が変わる場合、 OSM ウェイを分割する必要があります。次のような場合です。
- 新しい車線が始まったとき (幅に関係なく)、または
- 車線が消滅し終わった時(通常は他の車線に合流するとき)
データ利用者への注意事項
多くのウェイでは、すべての地点での車線の総数をタグ付けされておらず、長い区間の走行車線の数のみがタグ付けされています。よって、データの利用者は多くの場合、車線数のタグを正確な数ではなく、最小の数として扱うことができます。
拡張タグ付け
異なる方向の車線
対面通行の道路の車線が、方向によって同数ではない場合、 lanes タグに加えて lanes:forward=* と lanes:backward=* キーを用いることができます。 lanes:forward=* は OSM ウェイの向きと等しい方向の車線数を、 lanes:backward=* は反対方向の車線数を表します。
lanes=* タグは、全体の車線数ではなく各方向の車線数を表すように広く誤用されています。車線数を方向別に記述すれば、潜在的な曖昧さを避けることができます。
追い越し車線や右左折車線のように、双方向に走行できる車線については、lanes:both_ways=* が利用できます。
これらのキーの使い方は、以下の例を参照してください。
特定の車種に予約された車線
特定の種類の車両に予約されている車線の数は、 lanes
キーと access=* キーに交通手段を表す接尾辞をつけたもので表します。例えば、lanes:bus=1 は1車線がバスに予約されていることを表します。その車線の方向を特定する必要がある場合は、前述のように :forward
または :backward
の接尾辞をつけてください。つまり、 lanes:taxi:forward=1 は OSM ウェイと同じ方向を向いた1車線がタクシーに予約されていることを表します。
注意! lanes:*=* キーの種類はウェイ上で特定の交通手段に予約されている車線の数を示すためにのみ使うことができます。ある交通手段がどの車線を通行することに制限されているかを指定することはできません。
たとえば、3車線の自動車専用道路で、大型貨物車が最も右の車線のみに制限されている場合、 lanes:hgv=1 でこれを表すことはできません。(lanes:hgv=1 は大型貨物車のために自動車専用道路の1車線が予約されていることを示し、どの車線であるかは示しません)
車両における制約は、 :lanes
接尾辞とそのタグ付け方法を使用してタグ付けできます。例えば、hgv:lanes=no|no|yes
は大型貨物車が最も右側の車線に限定されていることを示します。
特定の時刻や日にだけ適用される制限
特定の時間帯だけに限定されている車線がある場合、条件のタグを追加し、その条件がいつ適用されるのかを示します。例: lanes:bus:conditional=* や lanes:psv:conditional=*。詳しくは 条件付き制限を参照してください。
車線表示のない道路
多くの狭い道路、石畳の道路、田舎道では車線表示がありません。また、場所によっては、4車線道路として機能しているにもかかわらず、車線表示のない道路もあります。道路に車線表示がないことを示すのに、lanes=*キーに、0 や 1.5、none といった妙な値を使用せずに、lane_markings=no や同様の明示的なタグを使用するを推奨します。0 や 1.5、none といった値はあいまいで、データ利用者が正しく処理できない可能性があるからです[2]。
特に(車線が明示されていない)狭い道路では、width=*/width:carriageway=*タグを指定すると非常に便利です(下記参照)。
細い道路
車線がない道路 (双方向に通行可能でも車線がなく幅が狭い道路) で、車両がスピードを落としてすれ違わなければならない道路も存在します。 これは narrow=yes とともにタグ付けできます。 このような場合、width=* を用いて車道の幅もタグ付けした上で lanes=* を記入することを強く推奨します (注意: maxwidth=* と間違えないようにしてください)。幅が大きく異なる場合は、車道の最も狭い幅を指定します。正確な幅を知るのが不可能な場合や困難な場合は、推測値を記入し、次の例のように source:width=estimated を付与します。
width=4 source:width=estimated
細い道には、車両がお互いにすれ違えるよう passing places (すれ違い地点) が設けられている場合があります (例を参照)。これらは highway=passing_place でタグ付けします。すれ違い地点があっても車線数は変わりません。
例
自動車が通行可能な車線 | ||
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写真 | タグ | 注釈 |
lanes=1 | 一度に1台しか車両が通行できない標識のある橋 | |
lanes=2 | 2車線の居住地域内道路。parking:both=lane + parking:both:orientation=parallel やその他 street parking タグを使用した追加のタグ付けも検討して下さい。 | |
上り線にlanes=2 下り線にlanes=2 個々に向きを設定 |
物理的に分割されているため2本のウェイで表現された上下線分離道路(それぞれにはoneway=yesもつける)。 | |
lanes=2 lane_markings=no |
車線表示のない双方向道路ですが、上下方向に1車線づつあります。側面にある白線は道路の境界を表します。しかし、それは各車線を表すわけではなく、単に道路の端を表します。そのため、lane_markings=no を使用してください。 | |
lane_markings=no 任意で以下も width=4 |
車線の表示がない狭い道路で、推定幅員は4メートル。車両が快適にすれ違うだけの十分なスペースがないため、2車線としてタグ付けるのは適切ではありません。 | |
lanes=1 oneway=yes |
1車線の一方通行道路。駐車スペースは車線として数えません。 | |
lanes=1 oneway=yes oneway:bicycle=no cycleway=opposite_lane |
車道は一方通行ですが、自転車用の逆走レーンがある道路。自転車道路は車線と数えないため lanes=1 です。 | |
lanes=1 oneway=alternating |
双方向道路にある橋は1車線しかないことがあります。対向車がある場合には道を譲る必要があります。oneway=alternating/reversibleのどちらかが必要です。 | |
highway=passing_place (ノードに) | 道路にあるすれ違い箇所。 | |
lanes=8 | 上下4車線に加えてゼブラゾーン (中央の斜線部分) がある道路。lanes:forward=* と lanes:backward=* を省略すると、8車線を均等に上下線に割り振ったとみなします。ニュージーランドではゼブラゾーンは走行車線とみなします(以下参照)。 | |
lanes=3 lanes:forward=1 lanes:backward=1 lanes:both_ways=1 turn:lanes:both_ways=left |
上下1車線とセンターターンレーンのある道路。センターターンレーンでは、その車線に沿ったどの地点で、いつでもどちらの方向からでも曲がることができます。この構成はある国では一般的ですが、そうでない国では少ないか存在しません。 | |
lanes=5 lanes:forward=3 lanes:backward=2 OSM のウェイは左から右に進んでいると仮定 |
5車線道路で、3車線が正方向 (OSMウェイと同じ方向)。右左折レーンはウェイに turn=* でタグ付けしてください。 | |
lanes=3 lanes:bus:conditional=1 @ (Mo-Fr 07:00-19:00) |
3車線道路で、最も右の車線は時間によりバス専用になります。最も左の合流車線には turn=* キーを付けます。 :conditional 接尾辞についての詳細な説明は Conditional restrictions 記事を参照してください。 | |
自動車以外の交通向けの車線 | ||
highway=cycleway lanes=2 |
2車線で明示された自転車道。(注意:前述また Lanes#Crossing_with_a_designated_lane_for_bicyclesで例示したとおり、自転車レーンは物理的に分かれ、OSMウェイで明記されている場合にのみ lanes=* タグで数えます) | |
leisure=track lanes=8 |
8レーンあるトラック | |
piste:type=nordic piste:lanes=2 |
クラシックな XCレーンがある圧雪路。圧雪路は highway=* と共有していることが多く、車線数に適用されないことが多いため、単に lanes=* を使用するのは避けてください。 |
より多くの例は User:Martinq/Lane_examples を参照してください。
以下は支線が2つある高速道路の例です。
lanes=3 | ||
lanes=4 turn:lanes=none|none|none|merge_to_left | ||
lanes=3 (lanes=1 on ramp roads) | ||
lanes=4 turn:lanes=none|through|through|slight_right | ||
lanes=3 turn:lanes=none|none|through;slight_right destination:lanes=A|A|B | ||
lanes=4 turn:lanes=through|through|through|slight_right |
推定
対面通行の道路において、車線数の合計だけがタグ付けされており、かつそれが偶数であるときは、上下線の両方に均等に車線が割り当てられていると推定されます(例: lanes=6 は上下線に3車線ずつと推定)。
車線のある道路には必ず lanes タグをつけるのが望ましいですが、往々にしてデータが欠落することがあります。そのため、データ利用者が推測を試みるのは合理的です。データ利用者はどのような推測も可能ですが、以下のように推定するとうまくことが多いでしょう。
タグ | 推定車線数 対面通行 |
推定車線数 一方通行 |
備考 |
---|---|---|---|
highway=residential highway=tertiary highway=secondary highway=primary |
2 | 1 | この推定と実際の車線数が等しい場合は、通常車線数はタグ付けされません。 |
highway=unclassified highway=service highway=track highway=path |
1 | 1 | この推定と実際の車線数が等しい場合は、通常車線数はタグ付けされません。 |
highway=motorway highway=trunk |
これらは通常上下線を分けてマッピングされるべきです
(詳しくは上下線分離道路の記事をご覧ください) |
2車線以上 | 実際の車線数を常にタグ付けしてください。 |
車線数の表示
- JOSMで車線数を表示するには、Lane and road attributes スタイルが利用できます。また、routes プラグインでは、 lane coloring example とあわせて利用できます。
- この Maperitive lane rules では、lanes=* と placement=* に基づいて、道路の幅、車線、オフセットをレンダリングします。
- OpenStreetMap detailed overlays は、車線、自転車道、駐車場、歩道をオーバーレイした道路を高倍率 (16+) の場合に生成します。slippy map 版は オンラインで利用可能 です。
関連タグ
- width=*/width:carriageway=* 車道の幅をタグ付けします
- source:width=* 幅の情報源を表します
- access=* 交通手段と追加のアクセス制限
- parking:left=*, parking:right=*, parking:both=* 駐車レーン (street parking参照)
- turn=* 右折・左折レーン
- highway=passing_place すれ違い地点
- shoulder=* 路肩 (しばしば緊急停止レーンとして使用します)
関連項目
- *:lanes=* / JA:車線 - 個々の車線やそのプロパティのタグ付け
- 2つの道路部分の車線をつなぐリレーション
- 複雑な道路形状を表現する turnlanes リレーションの断念された提案, JOSM "turnlanes" プラグインでサポート。
- 異なる区切りを用いた車線タグ付け体系の断念された提案
- 鉄道の線路数のタグ付け提案
- 接尾辞 :both_ways の提案
- Proposed_features/lanes_General_Extension -
:lanes
- ウェイの車線ごとのプロパティ指定 - タグ付け議論
- 2012年4月にこの記事をクリーンアップする前のタグ付け議論
- ↑ 2019年6月から tagging メーリングリスト ( https://lists.openstreetmap.org/pipermail/tagging/2019-June/046002.html ) で行われた議論と、2019年9月からドイツ語フォーラム ( https://forum.openstreetmap.org/viewtopic.php?id=67330 ) で行われた議論 (discussionページでいくつかの指摘あり) を参照してください。「白線などで描かれていること」を明示するようになったのは2014年のドイツ語フォーラムの別の議論によるものですが、他では行われていません。
- ↑ https://lists.openstreetmap.org/pipermail/tagging/2019-June/046002.html