JA:変更セットの良いコメント
変更セットは、1人のユーザーが比較的短時間に行った編集作業の区切りです。変更セットをアップロードする時、あなたが使用しているエディタで編集内容を説明する変更セットのコメントを入力する場面があります。
あなたが入力したコメントは、変更セットのタグ(comment=*)としてデータベースに保存されます。これは様々な場面、例えば、誰かがオブジェクトの履歴を閲覧したり、ある範囲におけるすべての変更を表示したりする場合に、編集内容と一緒に表示されます。
変更セットにコメントを入力する理由は?
変更セットに対してコメントを入れておく理由は数多く存在します。
- 今後その地域を編集するマッパーへの礼節 - 変更セットにコメントがあることで、あなたがどのような目的でどのような編集を行ったのかが、後々のマッパーたちにとって理解しやすくなります。変更セットにコメントがない、ということで、人によってはなんとなく "この地域で僕がどんな編集をしようが、あなたには関係ないことだ"という印象を感じることがあります。そして、1つの要素をみんなで編集する私たちのOSMプロジェクトにおいて、そのようなことはなるべく避けたほうがよいでしょう。
- 編集の失敗や間違いを防ぐため - もしレストランのノードが50個も削除されていて、編集セットに "Bingをもとに建物を2−3つ追加 (traced a couple houses from Bing)"と記載されているとしたら、その編集はなんらかの間違いの可能性が高く、内容の復旧作業を素早く行うことができるようになります。逆に、変更セットに "先週の現地調査で判明した、既に閉店しているレストランについての情報を削除 (removing restaurants which I found to have closed during last week's survey")"と書いてあれば、あなたが正当な理由をもとに情報の削除を行ったことがわかりやすくなります。
- あなたが行う編集の価値を高め、編集合戦を防ぐため - あなたが行った編集とその参照先・情報源を示しましょう。例えば、後で誰かが航空写真をもとに建物データを追加しようとしたとして、あなたが追加したデータが航空写真で見当たらない場合にその建物を削除しようとするかもしれません。しかし、もし編集セットに "つい最近建築された建物を追加" と書いてあれば、本当に削除を行なって良いデータかどうかもう一度確認してくれるはずです。
- 備忘録として。変更セットのコメントは、あなたがいつ何をなぜ行っていたか思い出すのに役立ちます。コメントの情報を読みたくなるのが6ヶ月や1年先かもしれないこと、なぜ古い編集を探す必要があるかをあらかじめ予想するのは難しいことを意識してください。簡単に言えば、犬も食わないものは出すな、ということです。
マッパーによっては、彼らが *行わなかった編集* の内容をメモとして残しておくことがあります。(例えば "...もうちょっと作業が必要" とか "...ただし、河の西側地域は手付かず"といったかんじです)。
場合によっては、変更セットがどのような内容を行ったかの証跡になることもあります。例えば 1つのオブジェクトに対してだけ編集が行われた際、その内容を確認するためには有力な情報ではありますが、これにあてはまるケースは思ったほど多くありません。ただ、誤字を修正した場合に "誤字を修正"と変更セットコメントを残しておくことで、編集内容を明確にしておくことは大切です。もしまた飼い猫がまたキーボードを勝手にいじっても、あなたが本当にやりたかったことが後々わかりやすくなります。
具体例
よい変更セットコメントでは、その編集で意図した内容が簡潔かつ明瞭に記載されています。具体的な例としては以下のとおりです。
- "工業団地に建物を追加"
- "地元知識をもとに、 Donnington 通りから Roman Way 通りまでの歩道を追加"
- "OSAK (AWS)をもとに、デンマーク語の住所表記を修正: Bag Hegnet"
- "Algonquin 公園の境界を更新"
- "Newportの南東に、郊外道路と自転車道を追加"
- "Köln: Nicht-Kreisverkehre, 'junction=roundabout' entfernt, Vz 215 nicht vorhanden" (ドイツ語で "ケルン市: junction=roundabout を削除。この位置にラウンドアバウトと、交通標識215番は存在しません")
- "Maranhãoの海岸線に対して、干潮時の入江をいくつか追加"
- "Bingと地元知識をもとにして、建物と住所を追加。残念ながらいくつかの建物番号は掲示されていなかった."
- "私道に屋号を追加。Source = Owner"
時には、全く役に立たない内容の変更セットコメントもあります。例えば :
- "BBOX:3.23,41.96,3.23,41.96 追加:14 変更:0 削除:0"
- "151005-DE-FUe"
- "2012/01/13 AM09:56:00 ArcGISのOpenSreetMap機能を使って編集をアップロード"
- "https://maproulette.org/browse/challenges/17994"
- "ちょっとした編集"
- "修正"
- "マップに追加"
- "#hotosm-project-1234 #MissingMaps #Country #redcross"
- "--"
- "詳細を追加"
- "更新"
- "いろいろ改良"
- "asdf"
- "アメリカ合衆国"
このプロジェクトが続く限り、あなたが残した変更セットコメントが残り続けるということを忘れないでください。アプリへの不満を八つ当たりしないよう、あなたが入力したコメントで誰かが不快な思いをしないよう、あなたが利用した情報源に疑問をもつようなことがないような記載を心がけてください。
変更セットに情報を追加する際の注意
各エディタのふるまいの違いは以下の通りです。
- iD はアップロードするごとに新しい変更セットを作成します。 → この節は iD には関係ありません。
- Potlatch (1および2)は既定では既存の変更セットに追加しますが、[C]を押すと現在の変更セットを閉じることができます。
- JOSM は既定ではアップロードするごとに新しい変更セットを作成しますが、アップロードダイアログ上の設定で変更することができます。
変更セットをアップロードして変更セットの説明を入力した後、エディタによっては(設定によっては)変更セットをすぐに閉じず、続く編集が同じ変更セットに追加され、変更セットのコメントも共有されることがあります。
1つの編集作業を終えて別の作業を開始する場合は、新しい作業が別の編集セットとして扱われているかどうかを確認してください。
過去に入力したコメントの再利用
ほとんどの編集ソフトでは、過去に利用したコメント文をドロップダウンのリストから選んだり、あらかじめコメント欄に表示されていたりして、再利用することが可能です。この機能は便利なことが多いのですが、あまりに一般的なコメント文(例えば "いくつか編集 (some fixes)"など)をすべての編集作業で使いまわしてしまう、いわゆる "お手軽さの罠 (convenience trap)"に陥ることがあります。これではコメント文の意味がありません。過去のコメント文を再利用する際には、その編集内容とコメントがちゃんと合っているかどうかについても気を配るようにしてください。
JOSM では既定で(4時間以内の場合)最新の変更セットのコメントがあらかじめコメント欄に入力されます。これによって、古い(誤った)コメントが再利用されてしまうことにつながることがあります。この機能は完全に無効にすることができます(方法)。
ハッシュタグ
一部のユーザーが、変更セットのコメントに「ハッシュタグ」を使い始めています。ハッシュタグは「変更セットの良いコメント」に沿っているでしょうか?これは議論の的になっており、広くは合意されていません。にもかかわらず、一部のツールは他のツールが変更セットの分析・可視化に利用するために、定型のハッシュタグ付きのコメントをしています。ハッシュタグは自由な形式のテキスト欄内の、単純なハッシュ(#)の接頭辞が付いた単語です。手入力されたコメントと一緒に利用したり、散在させたりしても良いでしょうが、定型の文しかないものは変更セットの良いコメントではないでしょう。
日本語版記事における追記
変更セットを記入する際に、英語で入力するべきか日本語で入力するべきか、迷うことがあります。
あくまで私 (user:nyampire)の主観ではありますが、以下のように使い分けています。
- 英語での記入 : HOT活動や海外での編集など、日本人以外がコメントを参照する可能性がある場合
- 日本語での記入: それ以外の場合。日本国内の道路やPOIの修正など、今後の編集も日本人、あるいは日本語を読めるマッパーが行う可能性が高い場合
関連項目
- Proposed features/changeset tags
- Template:UserAppreciatesGoodChangesetComments - このテンプレートを使うには、あなたのユーザページに {{UserAppreciatesGoodChangesetComments}} を追記してください