JA:Key:wires
wires |
説明 |
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送電線の線数。 "single" (1), "double" (2), "triple" (3) or "quad" (4)。 |
グループ: 電力 |
適用できる要素 |
よく併用されるタグ |
状態:使用中 |
ツール |
架空電力線の電力線(より正確には conductor bundle)あたりの電線(より正確には sub-conductors)の数を記述するために使います。
背景
高圧送電線には、スペーサーで区切られた2本以上の電線(sub-conductors、ワイヤー)から成る多導体(conductor bundles、ケーブル)がよく使われています。これには2つの目的があります。
- コロナ放電を減少させること。強い電界が、電線の周囲の空気をイオン化させることがあります。これは著しい電力のロスや可聴音のノイズを発生させることがあり、このようなコロナ放電を抑えることは重要です。電界は電線の有効な直径を大きくすることで抑えることができます。多導体は、およそその直径と同じだけの直径を持つ単一の電線と同じ効果があります。
- 表皮効果の緩和。交流電流は、導体の表面を流れようとする性質があります。たとえば、50Hzの場合、電流は導体の約1cmより内側を通りません。そのため、交流抵抗を小さくするために抵抗を導体の径を大きくすることは非効率です。電流容量を増やすには、単一の太い導体を使うのではなく、電線の束を使うほうが効率的です。 同じ断面積ならば、単一の太い導体よりも、より細い電線を束ねた多導体のほうが交流抵抗が小さくなります。
多導体は、200kVを超える場合にコロナ放電を減少させるために使われますが、それよりも低周波の場合も電流容量を増やすために使われます。
値
使われるのは次のような値です:
- 1本の電線 (多導体ではない): wires=single
- 2本の電線: wires=double
- 3本の電線: wires=triple
- 4本の電線: wires=quad
電線の本数がそれよりも多い場合は、数に 'fold' をつけた値を使います:
- 5本の電線: wires=fivefold
- 8本の電線: wires=eightfold
例
右上の写真は、wires=double の例です。2本の電線から成るケーブルが3本写っています。
数 | 写真 | タグ |
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1 | wires=single | |
2 | wires=double | |
3 | wires=triple | |
4 | wires=quad | |
5 | wires=fivefold | |
6 | wires=sixfold | |
8 | wires=eightfold |
その他のキー
線のケーブルの数は cables=* でタグ付けします(ここでは接地線を数えません)。ワイヤ数とケーブル数を特定するには、以下の単純なルールを使用してください。
- ワイヤは他の線と絶縁されていませんが、鉄塔との間では絶縁されています。
- ケーブルは互いに絶縁され、鉄塔との間でも絶縁されています。
- 接地線は鉄塔との間で絶縁されていません。
専門用語についての備考
wires=* および cables=* というキーの選択は最適ではないかもしれません。"wire" に相当するもっと一般的な専門用語は、conductor bundle (IEV ref 466-10-20) の sub-conductor (IEV ref 466-10-21) です。single conductor (IEV ref 466-10-19) が wires=single に相当します。同様に、twin bundle、triple bundle や quad bundle が、wires=double、wires=triple、wires=quadにそれぞれ相当します。詳しくは Wikipedia on conductors をご覧ください。